いぬころびとのざれごと

犬ころのごとく生きる男が弄り徘徊しながら発する言葉。

季節はずれの詩をよむ

そら豆

 

そら豆って さやが 上に向かってつくから

そういうんだね

そうか あの 豆の匂いは

空の匂いなのか  

 

空には 死んじゃった いきもののおもいが あるそうな

あれは そのおもいの 匂いなんだね

だから なんだか 悲しいのか

だから なんだか 切ないのか

 

僕は そら豆の匂いと ずっと生きていく

そして 僕も いつの日か

そら豆の 空の匂いとなって

お空に ぽっかり 浮かぶだろう